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共働きの両親のもと、妹たちの世話や家事に奔走していた夏川涼太は、大学進学を機に念願の一人暮らしを夢見ていたが、思いがけず幼馴染の田中一仁と暮らすことに。外見も性格も良い一仁には、なぜか彼女がいない。原因探しに付き合う夏川だったが、ダメ出しする所が見つからないうえ、一仁の優しい言動にときめいてしまい…。

2人暮らしも順調にスタートし、夏川と一仁は楽しい日々を過ごしていた。夏川は一仁の友人である吉田絵里、春名圭太と友達になり、よく話すようになる。吉田と一仁のバイト先が同じだと知った夏川は、一仁の好きな人が吉田ではないかと考えるが、あっさり吉田に否定される。さらに一仁から意味深な言葉を聞いてしまい、直接本人に確かめようとするが…。

「俺にキスできる？」。一仁の気持ちを確かめようとした夏川だったが、一仁から「できない」と言われて咄嗟に冗談だったと誤魔化す。その時、夏川の母・サエコと妹の真奈、沙紀が訪ねて来た。息子の悩みに気づいたサエコは、「自分に嘘をつかないこと」と助言する。サエコたちが帰った後、夏川は一仁に、先ほどの問いかけの真意を語り始める。

一仁から告白されて以来、夏川はちょっとした触れ合いにも意識してしまい、ドキドキしたり、ぼーっとしたりと落ち着かない。一仁もそんな夏川の様子に影響されて、互いにギクシャクしてしまう。そんな折、夏川が春名と親し気に話しているところへ一仁が遭遇。嫉妬も混ざり、半ば強引に夏川と日曜日の予定を決めてしまうが、意外にも夏川は大喜びで…。

一仁とデイキャンプに来た夏川。別グループの女性たちと楽しそうに話す一仁を見て複雑な気持ちになるが、一仁から今日は2人きりでいたいと言われて嬉しくなり、いつまでもこの時間が続くようにと願う。ある朝、一仁が夏川を名前で呼ぼうかと提案するが、互いに照れてしまって上手く言えない。共に時間を過ごす中で、夏川は一仁への恋心を自覚し始める。

一仁は夢の中で昔を思い出していた。小学生の頃、一仁と夏川はお泊り会をするほど仲良しだった。夜遅くまでボードゲームに熱中し、ずっと友達でいようと伝え合ったが、中学校では一度も同じクラスになれず、別々の高校に進学して以来疎遠になっていた。怪我が原因で大好きな野球を続けられなくなった時、一仁を救ったのは夏川の何気ない言葉だった。

一仁に告白する決心をした夏川だったが、周囲からモテる一仁を見て、自分は一仁の将来を奪ってしまうのではないかと考え気持ちが揺らいでしまう。一方で一仁も、夏川の気持ちに気づかず、自分の告白が夏川を苦しませていると思い込む。互いに気持ちがすれ違ったまま、一仁は母・ゆりえの旅館の手伝いで1週間家を空けることに。

急遽一仁が帰ってくることになり、夏川は急いで家を掃除するが、一仁の部屋で住宅情報誌を見つけ、一仁が出ていくのではないかと思って落ち込んでしまう。そこへ春名が通りかかり、家に入れることに。春名に一仁への気持ちを言い当てられた夏川は、一仁の幸せのため、自分の気持ちは言えないと伝えるが、話をするうちに想いが溢れてしまい…。