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桜坂近辺物語のtetsuのレビュー・感想・評価

桜坂近辺物語(2016年製作のドラマ)
3.0
『架空OL日記』公開に合わせて、録画していたものを鑑賞。

桜坂の近辺で渋滞に巻き込まれてしまった4組の男女。車内で起こる彼らの一大事を描くオムニバス会話劇。

2015年、ファンに惜しまれながらも、終了した伝説のラジオ番組「福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル・魂のラジオ」(通称:たまラジ)
その復活企画も兼ねたバカリズム脚本の四夜連続スペシャルドラマ。

1話20分前後のオムニバス形式で、オープニングにバカリズムがゲストとして登場する幻のたまラジ最新回が流れた後、ラジオを聞く車内の登場人物へ移り変わって、ドラマが始まる構成だった。

いかにも急ピッチで企画された特別ドラマ枠という感じで、内容はバカリズムのコントを豪華俳優陣が演じているという印象。
ただ、毎回、クライマックスになると、たまラジから福山雅治さんの名曲が流れてくるので、ドラマとしては良い感じにまとまってしまうのが、不思議だった。

バカリズムさんが『素敵な選TAXI』で脚本家として認知された後というだけあって、車内で繰り広げられる会話劇には、似たものを感じられた。


現在はFODで配信中。


以下、各回の感想(ネタバレあり。)

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1台目『蛍火』
出演:原田泰造、柏木由紀、袴田吉彦
偶然、推しのアイドルとその交際相手を乗せてしまったタクシー運転手のお話。
運転手扮する原田泰造の心の声、その絶妙な下らなさが良い。これこそ、まさにバカリズム喜劇の真骨頂という感じ。
考えに考えた挙げ句、捻くれた結論を出してしまう主人公には、馬鹿な男心が見事に表現されていたように思う。

2台目『Good Luck』
出演:市原隼人、勝地涼、生瀬勝久
身代金を要求するため、社長を誘拐したものの、思わぬ渋滞に巻き込まれた若者2人のお話。
誘拐を実行するも、いざ実行するとなるとビビってしまう二人の滑稽さ。
単なる美談で終わらせない辺りが、またひねくれてる...。笑

3台目『明日の☆SHOW』
出演:なだぎ武、大倉孝二、山本耕史、野間口徹、山崎樹範
スキー旅行の帰り、窮屈な車内から、一人降ろすことに決めた男たちの話し合い。無茶苦茶な提案をする男が山本耕史という謎のハマリ役。その他のメンバーも、かなりの豪華キャストで、メンツだけで十分面白い。
ただ、暴走するなだぎ武が理不尽すぎるのは草。

4台目『桜坂』
出演:川口春奈、中村蒼
些細な出来事から、7年の交際に終止符を打とうとするカップルの会話。
全4話の中では、一番、ホッコリする話。「イヤよイヤよも好きのうち」と言わんばかりに、口論を続ける主演二人には、むしろ月9カップルより好感が持てる。

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