玉生洋一

大草原の小さな家 シーズン1の玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

大草原の小さな家 シーズン1(1974年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

※下記ページにさらにメモしています。
https://www.tbook.net/tv/drama/d/dsg/

#3
ただただ号泣。
アメリカドラマではあるが、多くの国の人が共感できる要素がふんだんに詰まっている作品だと再認識。
トランプもこれを見たらいいのに。

●はじめて学校に行く時の不安。
●姉の頼もしさ。
●夜なべして高い布で自分の服を作っていると思いきや、娘2人の服を作っていた母。
●先生の優しさ。
●オルソンさん(夫の方)の優しさ。
●オルソンさん(妻の方)の、買い手が他にもいることを知ってすぐに茶色い卵の値段を上げてくれる内面の気弱さ。

「人が嫌がることをしてはいけない」
「やり返してはいけない(やり返したらその人と同じことを自分がしていることになる)」
これらは大人社会でも自分を含めて多くの人が実行しなければいけないことでは。

なんといっても感動するのが
授業参観でローラが読み上げた母についての作文。
ここで終わってもいいのに、
「ローラは流暢に喋れるがまだ複雑な文章は書けない」
という点を母が指摘し、
先生に作文の紙を見せにいくシーンがあるのが
この作品のいいところ。
一家の真面目さ、真摯さが感情移入できる魅力になっている。

お笑い的にいえば、初登校してすぐに
すぐにクラス全体を笑いに包む一言(黒板の文字をどうやって消すか)
を躊躇なく言えるローラの才能はすごい。
ドリフの教室コント等ともつながる才能。
現実でいえば、思ったことはとにかくなんでも口にする社会のほうが皆楽しいという一例では。
その言葉の正誤や重要性は、その後で各自判断すればいいのだ。



#10「母さんの教室」
オルソン夫人の嫌味に対抗して先生を引き受ける母さん可愛い。
授業開始後すぐに野球勝負に持ち込み、豪快に長打を放ち生徒たちをねじふせる母さん素敵。
読み書きができない年長生徒のエイベル登場。ビードル先生から引き継ぎ事項をきいておけばよかったのにと思うが、それがないほうがドラマとして盛り上がるから仕方ない。
エイベルの気持ちを尊重しようとしつつも自分が読み書きができないから学校に通わせることに積極的でない父親の気持ちもまぁ理解できる。
せっかく皆で一緒にアルファベットと単語を復習する授業がうまくいっていたのに、乱入してきて暴言を吐いてぶちこわしにするオルソン夫人の破壊力よ。
それに腹を立てて先生を辞めてしまうキャロラインの短気さも正直で気持ちがいい。オルソン夫人とじっくり話し合えばいいのだが、そもそも話が通じない相手だし、それではドラマが面白くならない。
オルソン夫人が先生をやることになる展開は面白いし、生徒が誰も来ない(自分の子供ふたりだけ)というシーンも面白い。オルソン夫人と対比すると、ふだんは悪役のネリーもとても健気で可愛く思える。



#21「ジョーの約束」
この悲劇を防ぐにはどうすればよかったのかを真面目に考える。
ジョーはまず最初にインガルスに話をもちかけるのはいいとして、大勢に話す前にもう1〜2人の同意者を得てから3〜4人以上の発案として皆に提議すればよかった。種を買いに行く際にはできれば2人で行けたら良かった。少なくとも、どの道で行くかを事前に決めて伝えておけばよかった。
馬が暴走したのは借りた馬の気性が特別に荒かったからなのだろうか。もしそうであればそれを見極める目を持っていたならよかった。防ぎようがないことなのかもしれないのでこれはなんともいえない。
ジョーの操馬技術が未熟だったのであれば、馬の扱いがうまいものが買付にいけばよかった。
無用な疑心暗鬼を防ぐにはジョーと、町一番の古株(または一番信用のある者)が2人で買付に行くのが良かった。
ただ謝るだけでなく、足を怪我したジョーの代わりに畑を耕すという行動で謝罪の意を表すラストはよかった。ジョーを非難していた全員で畑を耕せば、個々の負担も軽いのでは。「おれはやらない」という奴もいるのかもしれないが、もしいたら今度はそいつに非難の矛先が向いてしまうのかもしれない。村社会は怖い(もちろんあたたかいときもあるが)。
「おじさんたちひどい!」と大人たちにキレるメアリーが立派。せっかく買った小麦粉を地面に投げつけるのはいかがなものかと思ったが。
馬をパクろうとしていた男が、心底の悪いやつでなくて本当によかった。拾い物をしたときに「誰かが捨てたものでは」と考えてしまうことはよくあることなのだろうが、「誰かが命の危機にあるのでは」と考えることは本当に重要。