つかどん

JIN -仁- 完結編のつかどんのレビュー・感想・評価

JIN -仁- 完結編(2011年製作のドラマ)
4.8
今生きることができるのは、昔の人が積み上げてきた奇跡の連続だということ、
江戸にはない、電車や飛行機、スマホや電球1つも、その奇跡の一つであることに気付かされた。中でも医療は、その奇跡にどれだけ救われているのかと、思った。
ここに生きる今も、きっと未来に通じている。ゆっくり進んでいて、確実に未来へバトンが繋がれている。
南方仁の心にずっと居続けたみきは、「未来」だったことに最後ハッとした。未来が待っていたんだなって、そうしたちょっとした仕掛けもあるのがいい。

恋愛も、この壮大さが胸を打つ。何百年もの時を経て伝えられた気持ちと繋がった思い。この現代で起こる小さな男女の揉め事はとても小さいようにも思ってしまう。「好き」という言葉を最後まで「慕う」と表現されていて、言葉には江戸から受け継ぐ日本の趣きがあるように感じた。
咲さんは、武士の家に生まれた者だからか強さもある。それでいて、そっと察して包み込む優しい心遣いのできる女性であった。昔の日本人は強いと、感じた。

坂本龍馬の人柄はとても好感を持った。
野風さんの奥ゆかしさも
仁友堂の医者たちの笑顔も
勝海舟の遠くを見て考える姿勢も
恭太郎の家族を思う心も
胸を打たれた。
これらは、自分の芯がしっかりしている江戸の人の強さだと思う。仁先生自身も、江戸に行って強くなっていた。
時代は変わってしまっても、この類いの強さが現代の日本人にも受け継がれていたい。

医療も歴史も、どちらも抜け目なく素晴らしい作品だった。
また、すぐに見直したいと思う。医療も歴史ももっと勉強したくなった。
つかどん

つかどん