Akari

セカンドバージンのAkariのレビュー・感想・評価

セカンドバージン(2010年製作のドラマ)
4.6
映画やドラマは観る時の自分の年齢や状況によって感じ方が違うけれども、こんなに違った作品は初めてかもしれない。

20代の頃に観た時といま主人公の年齢に近づいて感じることが全然違う。このドラマは恋愛部分がセンセーショナルだったわけだけど、今観るとそれ以外の部分でも興味深い。

ずいぶん年下の男性との恋、LGBTQ、管理職の女性、ネット証券など放送から10年以上経った今になってやっと社会が追いつき始めている状況。当時としてはかなり先駆けのテーマだったと思う。

まずは主人公るいを演じた鈴木京香さんが、すばらしい。美しくてかっこよくて、ファッションに釘付けになるし、それが似合うスタイルもすごい。でも何より仕事への信念と覚悟と、知性と包容力と人生経験があって鈴木行が20代後半の妻より40代半ばのるいに惹かれるのが、ものすごく説得力がある。まさに誇り高き女性。

エリートで自信家で、自分が手に入れたいものを全力で取りに行く鈴木行役の長谷川博己さんもこの役がぴったり。確かにこの人なら妻ではなく、るいに惹かれるよなとわかる。知性とか勝気とか、勝負を仕掛けるところとか二人は似てる。惹かれ合うのは仕方がない。

よく恋愛ドラマでカップル役を演じた二人が実生活でもカップルにあることがあるけど、二人の熱が画面を通して伝わるからこそ人気のドラマにもなるのだろう。お二人が実際にこのドラマの後でカップルになっているのが、このドラマの説得力にもなっていて胸熱。

妻役の深田恭子ちゃんが怪演。ここまでメンヘラの怖い役ができるのは上手いんだと思う。なかなか衝撃的だけど、女性の怨み、恨みとか負の感情をよく表現してて、まぁこんな人居るよなと思わせる説得力。地方のお嬢様という設定も九州弁の家族もリアルで苦笑い。

最後に自分で仕事を起こしてたのは良かった。やっぱり世間知らずで夫のことしか見てない状況だと、たとえ夫がるいに会ってない未来だったとしてもうまくはいかないだろうから。精神的、経済的自立がどんなに大事かよくわかる。

母の愛に飢えて荒れる息子役の綾野剛さんも適役。

戦うるいに、社長とあいこさんという味方がいるにも良かった。

このドラマ深いな。
女性の人生について考えさせられる。
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