NHKの『スペシャルドラマ』で視聴。
激動の明治時代を3人の男たち--秋山真之(本木雅弘)・その兄 秋山好古(阿部寛)・幼馴染の正岡子規(香川照之)--を中心に描いた、ある種の“大河ドラマ”。「まことに小さな国が開化期を迎えようとしている」から始まる語り(🗣:渡辺謙)は、何度聞いてもいい。
西洋列強を理想視し、国家が一丸となって追い付け追い越せと奮闘した結果得た、日本の帝国主義。本作はフィクションだが、女性や貧困層や朝鮮/中国等の多くを犠牲にし、後世まで続く禍根となったものを讃美できない。ただ、真新しいものに触れて素直に喜ぶ彼らの姿は眩しく見えた。
キャスティングが豪華なこと! 大人の都合--物語の時代設定や予算減少等--で昨今ではなかなか揃わない規模の中堅・大御所俳優が多数出演。思うに若手ほど「大河ドラマ」や時代劇に、ヴェテランほど現代劇に出るようになった(悪くはないが、場面を引き締める役割がいなくて寂しい)。