平凡だった男が行き着いた先。
遂に完走しました。『ブレイキング・バッド』全5シーズン。シリーズは5シーズン、全62話ですが、実際は1本の映画を観ているような気持でした。
『ブレイキング・バッド』はウォルターが墜ちていく様を丁寧に追った作品でしたが、それだけではなく、人間ドラマ以外の要素も全てが完璧であるという奇跡のような作品です。全てのシーンがバチっと決まっていて、脚本の回収も完璧。観ている間はひたすらに作品に酔いしれることができました。
彼が墜ちたのは、家族のため、です。しかし、それだけではありません。自身の失われた栄光への執着、自身のプライド、そんな誰にでもあることが彼を犯罪のみちへと駆り立てたのです。そして彼は、自身が一番才能を発揮した場所で死にます。「ハイゼンベルク」として。ただ、彼の中にあったのは、常に家族のことでした。1話から提示されたテーマを最後で見事に回収しきった作りに感服です。最高のドラマでした。