キラリ

ブラック・ミラー シーズン2のキラリのレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン2(2013年製作のドラマ)
4.8
“唯一無二”

■ずっと側にいて
もしも死んだ人と話ができるサービスがあったら?もしも死んだ人と瓜二つのコピーロボットがいたら?

自分の大切な人が突然命を落とすようなことがあったら、きっと面影を追ってしまうだろうし、実際にそっくりな人がいたらそれはそれで嬉しいだろうけど、その反面本人との違いがものすごく気になってしまったり、かえって虚無感に襲われたりむしろ嫌悪感を抱いてしまうこともあるんだろうな。後半からラストシーンにかけての展開はとにかく切なかった。

■シロクマ
「人間のモラルとは?」について、考えさせられる。本作は、傍観者の罪と個人を複数人で一方的に攻撃する罪(バッシング・炎上)を描いた作品。残酷なまでの報復劇をエンタメとして消費するという点においては、ブラック版「トゥルーマンショー」といった感じ。スマホが普及した現代のネット社会を皮肉っているようで、非常に興味深かった。誰もが加害者になりうるんだよな。決して他人事ではないからこそ、ゾクッとする。

■ホワイト・クリスマス
ブロック機能など凝った演出や先が読めないストーリー展開が面白く、シーズン2で1番好き。70分くらいだけど、1つの映画作品を観ているようだった。救いようのないラストも鑑賞後も尾を引く胸糞悪さもブラックミラーらしくて◎。これほど情報量の多い内容をコンパクトにまとめて作品として成立させているのはさすがの一言!

内容は不快極まりないけど、今の時代絶対ありえない事とは言い切れないのが、全く笑えないし、むしろ恐ろしいんだよなぁ。とある人の不幸が、ある人にとっては歴史的瞬間だったりするのだ。掌を返す身内や民衆とか、メディアの無責任さだったり、SNS情報の不確実性だったり、キャッチーな題材の裏に込められている情報量の多いこと。そして、物語のオチがまた・・・。最初から最後の瞬間まで目が離せない展開。
キラリ

キラリ