キラリ

Motherのキラリのレビュー・感想・評価

Mother(2010年製作のドラマ)
4.5
“お母さん、いつ迎えに来るの?”

5人の『Mother』が織りなす、涙なしには観られない感動作。様々な視点から「母とは?母性とは?」を問いかけてきて、とにかく心揺さぶられる。

とある事情により子供を捨てざるを得なかった生みの母(①)、自分に心を開いてくれない子供(養子)に悩みながらもなんとかつながろうとする育ての母(②)、妊娠した子供が障害を持って生まれてくる可能性があると知り悩みながらも婚約者と別れて1人で育てる決心をする母(③)、初めは子煩悩だったのにシングルマザーとなったことで歯車が狂い娘を虐待してしまう母(④)、そしてゴミ袋の中に入れられ捨てられていた生徒を誘拐して「母親」になることを決意し一緒に逃避行する母(⑤)の物語。

これは、泣く。

この作品ほど『Mother』というタイトルがふさわしい作品は他にないと思う。「子役」と呼ぶのも失礼に感じてしまうほど演技が素晴らしい芦田愛菜はもちろんのこと、5人の『母親』を演じた女優陣の圧巻の演技も相まって、思わず胸が張り裂けそうになってしまい、ボロボロ泣いてしまった。

5人の母親の物語ときくと、場面転換が激しくごちゃごちゃしてわかりにくそうだったり、誰かのエピソードは尻切れトンボというか中途半端に終わってしまうイメージがあるんだけど、本作は決してそうはならず、全員のエピソードが濃密で、ドラマチックで、印象に残るつくりになっているのが本当に凄い。

いつか私も母親になることがあったら、その時は必ずもう一度観たい一作となった。
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