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ブラック・ミラー シーズン3のRYOSUKEのレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン3(2013年製作のドラマ)
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1作目・・・
近い将来、ではなくどちらかというと現代社会への風刺的な作品。人からの評価が生活そのものに関わってくる世界線。ここまで強烈ではないにせよ、ネットがないと生き辛い社会になった今では、もはやこの作品の世界観とは変わらない。インスタやTwitter、いいね稼ぎのために自分を失う人が多くいる中で、本当の自由、そして幸せとは何か、を深く考えさせられた。
2作目・・・
現実のトラウマを追体験させられるホラーゲームを主人公が被験者となり、テストする。ゲームのクオリティがどんどん高くなっている今だからこそ、な作品。ゲームが現実に近づく、それはすごい技術的革新だが、リアルと切り分けられなければ、、そんな問題をあくまでもひとつのSFホラー然として描くのはすごい。
3作目・・・
PCやスマホのインカメラからデータが抜かれていない、とも言いがたい。SNSで載せたものや撮られた画像をダシにゆすられる、という内容。これはあり得そうな話。だが、ラスト、結局全員暴露され、、まぁそうなるよなぁという感じ。
4作目・・・
ブラックミラーっぽくない展開で、美しくてすごく素敵な作品。死後、無に還るか永遠に意識として生き続けるか、こんなテクノロジーがあればいいのにな、とシリーズの中で珍しく思える作品。死からの脱出、というテーマの下、永遠を手に入れることのできるテクノロジー。もちろんこれは人をテクノロジーが超えた例なのだろうが、いい面だってある、と思わせてくれる。
5話目・・・
優生思想の成れの果てを最大限に皮肉った
作品。人を作り上げられた見た目で判断し、差別をする世の中。見た目を経て、人の印象につながり、やがて彼らを恐れる。いわば洗脳のようなものではあるが、実際に起こっている問題。テクノロジーとかけ合わせているあたりが、ブラックミラーっぽい。
テクノロジーは作り上げられた差別感情により人類を篩にかけることまでをもできる。
すごく深くて考えさせられる作品。
6話目・・・
物理的に炎上した人を、投票によって殺すことができる、問題は投票をしている人に、人を殺している意識が無いことである。と、いうのは現代社会でも同じ。SNSの誹謗中傷を具現化した、そんな作品。90分ほどの長編で、ドラマの枠を飛び出しているのだが、これもブラックミラー。サスペンス系はあまり好きでは無いのだが、それでもすごく引き込まれた。テクノロジーによって生み出されたハチがどこまでも襲ってくる、それはSNSで何気なく発信した人への中傷と同じものである。しっかりと「成り行き」いや、因果応報で締めくくっているところがミソ。


シーズン3のテーマ?近い将来のテクノロジー×現代社会の風刺、がどの作品も痛烈で、すごく面白いシーズンだった。
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