役者一新でなかなか慣れないのは前回と同じだが、ダイアナだけはビックリするほど似ていた。要所要所で再現される衣装や仕草が既視感があり感心した。一方でだんだん実物と離れてくる女王夫妻…。もちろん似せることが目的ではないけれど。
印象的なエピソードは、「モーモーと呼ばれた男」「イパチェフ館」。全く関係なく思える場面から始まって実は…というのがこのシリーズでは時々あるパターンだが、前者はドディの父親が王室に近寄ろうとする様子や、黒人執事との関係が興味深い。後者はロマノフ朝との関係のお話で、皇帝一家が英国王室に助けを求めていたのに拒絶された、というエピソード。いくら革命でも一家惨殺は本当に痛ましく、遠縁であるフィリップ殿下の気持ちはよく理解できた。でもあんな若い女友だちを作っておいて人のせいにするのは何なのと思うけど。
といった史実とそうでもないところが入り混じり、実際はどうだったんだろうと複雑な気持ちが残るけれど、単にゴシップ暴きではなく当時の世相やジャーナリズムの視点など盛り込まれて引き続き面白いシリーズだと思う。
