ゲイリーゲイリー

ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン4のゲイリーゲイリーのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

Netflixの看板作品として、莫大な予算をかけて製作された「ストレンジャー•シングス」
シーズン4。
しかし制作費をかけたからといって必ずしも良い作品になるとは限らない。

もちろん本シーズンが高い評価を受けていることは知っているし、その事実に納得していないわけではない。
しかしそれでも、本作の魅力が凝縮されていたのはシーズン1であって、シーズン4がベストシーズンであったとは到底思えないのだ。
非日常が日常に侵食してくる不穏さ、異なる場所を舞台とした複数の物語が一つの真相へと収斂していく物語の構成、アッと驚くクリフハンガーの数々。
こうした要素全てが高水準かつ見事に混じり合っていたシーズン1こそが、個人的には本作のベストシーズンであり、「ストレンジャー•シングス」という作品の魅力が凝縮されていたと今でも思っている。

ではシーズン4の何がシーズン1と違ったのか。
確かに本シリーズにおいても、4つの異なる場所を舞台とした物語が同時進行に進んでいくという物語の構成は引き継がれているものの、それぞれの物語が交わるであろう終着点を初めから予想できてしまったのに加え、それぞれの物語を4つに細分化する必要性をあまり感じなかった。
つまり、過去シーズンと同様の手法で物語を描いていたものの、その手法を用いる必然性•説得力が欠けていたのだ。

また、先述したように莫大な制作費を与えられたことによって、派手なアクションシーンが散見された点も個人的には不満が募った。
そもそもそういう派手なシーンを本作に求めてはいないし、そういったシーンを撮るためだけに無駄な描写を挿入し(物語の根幹となる部分の伏線とかにもっと描写を割いてほしかった)、結果一話あたりの時間が非常に長くなるという悪循環にはガッカリさせられた。

一方、本シーズンのというか本作のラスボスになるであろうヴェグナというキャラクターが、実はエルと同じく超能力を持つ子の一人だったという着眼点や発想は非常に良かった。
ただヴェグナ=001という真相はもっと唐突に開示しても良かったかもしれない。
あまりにもエルの過去を描くのに時間をかけてしまったせいで、おそらく多くの人が物語の中盤でヴェグナの正体に勘づいてしまったであろう。
(001の存在を仄めかしつつ唐突にヴェグナの手首を写して「001」という数字を見せた方がクリフハンガーとしても良かったのでは?)

次のシーズンでラストということだが、私の好きだったミステリー要素や得体の知れなさが帰ってくるとは到底思えない。
もちろんシーズン4のようなダークファンタジー色全開のストーリーも好きだが、それでもシーズン1が好きだった身からするとあの雰囲気を味わえないのは物足りないというか、寂しいなと思うわけです。。。