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オリーヴ・キタリッジののんchanのレビュー・感想・評価

オリーヴ・キタリッジ(2014年製作のドラマ)
4.0
あまりドラマは観ないけど、4話完結が魅力で一気に鑑賞。
夜に観始めたら面白く、しかしある意味かなり動揺する内容で眠れなくなってしまったけど...💦

原作『オリーヴ・キタリッジの生活』は2009年ピューリッツァー賞受賞の人気連作短編小説🏆


オリーヴ・キタリッジ(フランシス・マクドーマンド)を徹底解明するかのような、オリーヴの家族とその周りの人々の人間ドラマ。

このオリーヴという人物、かなりの偏屈者。父親が自殺した環境で育った影響が大きいのだろうが、気難しく、思ったことを辛辣に言葉に出し、相手がどう思うとかを考えなし?いや敢えて?口に出す。それにより、夫と特に息子はセラピーに通うほどに長い年月に影響されている(褒めて育ててもらえなかった為)
小さな町なので、知ってる人には変わり者と嫌われてもいるが、教師なので、優秀だった生徒にはそれなりの信頼がある。
授業中に『貪欲になって!そうじゃなければ平凡な人生を歩む』なんて言う。平凡のどこが悪い?
全てがこの通りで、優しい夫に対しても笑顔一つなく、感謝や謝りの言葉を言わない。何かが起きた時、夫に指摘されるが...
しかし、夜の営みは夫婦の間でokとしてきたわけだし...


OPに老女が林でピストル自殺をしようとするところから始まる。
そして遡ること25年前。
メイン州の田舎町、薬局を経営している夫ヘンリー(リチャード・ジェンキンス)と中学校の数学の教師をしているオリーヴは息子と3人家族。
夫は人当たりが良く誰にでも優しく(そこがオリーヴには面白くない)理想的な人。薬局に若いデニース(ゾーイ・カザン)を雇うことにした...

1話づつテーマがあり、息子が結婚したり、愛する夫が倒れて言葉を話せられなくなり介護施設で暮らすようにり、4年後には亡くなって...その後に犬との生活。犬が亡くなったら自分は死ぬと決めていたのだが...そこで冒頭にシーンに戻る。

ラストはひょんな出会いがあり、これからは穏やかになるであろうこの先を匂わせてジ・エンド

小説を読んでいないので、オリーヴ=マクドーマンドになってしまう。他の女優が思い浮かばないほど適役でしょう。
マクドーマンドは上手過ぎて、優しい穏やかな役柄はもう思いつかなくなる。

オリーヴのような人、いるのかな?友達にもしたくないし、親戚でも嫌。
しかし結局のところ、人というのは、夫婦、親子、友人、様々な形で結びつきながら、誰しも不安定なのではないか?
この小説はその一端であり、面白味を持って眺めて、そうならないよう心するのかしら?と。


とにかくキャストは上手い役者が揃っている⭐️
前出の他にビル・マーレイ、ピーター・マラン、ジェシー・プレモンス、ローズマリー・デウィット、ジョン・ギャラガー・Jr、コーリー・マイケル・スミス、アン・ダウド、レイチェル・ブロズナハン等

俳優たちの演技を十分に楽しみました💫
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