のんchan

チェルノブイリののんchanのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0
実話に基づいてリアルに描かれた緊迫の5時間ドラマ(1話ほぼ1時間×5話完結)

歴史上最悪の人災チェルノブイリ原子力発電所爆発事故。チェルノブイリの事は学校でも習うけれど、知っているようで全く無知だった自分が恥ずかしい。

日本人は特に原発事故には敏感になる。
『Fukushima 50』もとても素晴らしい作品だったが、それを観ていたから、割と違和感持たずに入っていけたけど、この事故はそれより25年前のこと。
そして原因不明どころか、なんと人の手により、意識的に起こされた悲劇だったという話。


1986年4月26日1時23分45秒にチェルノブイリ原子力発電所の4号炉が爆発した。炉心はメルトダウン後に爆発し、飛散した放射性降下物が広い地域を汚染。避難区域は2,600平方キロメートルにもおよび、約30万人もの周辺住民が避難を余儀なくされた。


事故解明のため、旧ソ連科学者と政治家の熱いドラマが始まった。

エネルギー部門の責任者として現地に派遣されたのは核物理学者のヴァレリー・レガソフ(ジャレッド・ハリス)だったが、曰く「広島原爆の約2倍の放射線を出している。炉心の温度は2000度以上。対処しようにも前例のない事故。とりあえずホウ素と砂を5000トン必要。」

事故の解明を任せられたソ連閣僚会議の副議長ボリス・シチェルビナ(ステラン・スカルスガルド)が、初めは閣僚顔をして水と油の2人だったが、直ぐにレガノフからの言葉を真摯に耳を傾けて、まず人命救助の為に何が必要かを聞き取って、1つ1つ対処して行くのだが...

レガノフ「原子炉が爆発したということは、放射線核種の放出が減少していて鎮火には2週間かかる。核燃料サイクルの温度は火が消えても下がらず、むしろ砂で覆われて温度が上昇していて溶岩が発生。莫大なる広範囲で食料、水が全て汚染される。100年先まで人が住めなくなる。それを防ぐために、貯水槽の排水仕切弁を手動で開けねばならない。それは熟知した原発職員3名に行ってもらったら水は抜ける。汚染レベルからすると3名は1週間で死ぬ。許可を貰えるか?」とゴルバチョフ書記長に問う。

最高指揮官ゴルバチョフ書記長(額の赤いシミもそっくりに似せている)の答えは『勝利に犠牲は付きものだ』😫
人の命より、体裁、立場、ご都合主義、核実験の隠し事...ソ連の間違いだらけが続け様に出て来る😱

核物理学者のウラナ・ホミュック(エミリー・ワトソン)もレガソフの依頼で懸命に働き、事故当時に原発の中央制御室にいた当事者の証言を入院した病室で収集して回る。それが簡単に話せる状況にない...顔が...溶けて行く...😱あまりにも気の毒で、ホラー映画かと思うほどで😰

息をつく間がないほどに緊迫感が続くが、そんな中でもレガノフ博士とボリス副書記長の仲に友情が芽生えて行くのは人間味があって良かった💞(レガノフは事故後2年で自殺。ボリスは癌で亡くなった)

ソ連最高権力者らの愚かしさ、嘘、圧力に辟易した学者たち、指示のまま逃げるわけにいかなかったが、いよいよラストの裁判で事故の真実が暴いていく‼️

エンドロールには被害の場所、被害の状況、全てが数字となって表れているが、ソ連側が発表した死者数は『原爆事故で亡くなった人数は31人』とたったそれだけ?依然として変えてないというのには呆れ返って物が言えない💢
因みに貯水槽を開けに行った3人のうち、お2人は今でもご存命と聞いてホッとした。

興奮して書き殴ってしまったけど、自分用のメモとして詳細を書き留めたかった💦

HBOのクオリティには驚かされる。
キャストも素晴らしい👏ので見応えも十二分だった🌟
ぜひぜひ今だからこそ、ロシア(旧ソ連)の過去の実態も観て確かめて欲しい‼️
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