めっちゃくちゃおもしろい、これはいつまででも見ていられるやつだ。テレビドラマという集合体を上手く用いて自由かつ秀逸すぎる。毎回色んな試みが楽しくなされていて自然に驚かされっぱなし。役者であり歌手でもあり本作の仕掛人であるドナルド・グローヴァーが如何に才人かと悟る(文化への素養も)。そして共演のブライアン・タイラー・ヘンリーもラキース・スタンフィールドも素晴らしい。黒人ゲットーの日常をここまでリアルかつ赤裸々に、そしてあくまでオフビートに綴っちゃうとは。ラップやらドラッグやらバスケやらダッジ・チャージャーやら出汁に、セリフメインのドラマだから量が多いのだけどその何気ないセリフの掛け合いが秀逸で醸し出す空気感はシュールですらある。同じくNetflixオリジナルドラマとしてニューヨークのショービズ界で生きるインド系をこちらもオフビートかつリアルに描き絶賛されている『マスター・オブ・ゼロ』に通ずるものがある。5話目まで見てからずっと止まっていたけど、また見始めたら一気に見てしまった。頭空っぽにして見られるけど様々な事を考え議論しながらも見られる多用さと野心的洞察には真の知的さが肩張らず見え隠れしている。やっぱり面白すぎてカウチポテトしながらダラダラと見るのに最適最高。クソみたいな現状は何ら解決してないけどそんなわだかまりもクスリと笑い飛ばしてしまう！
