kito

ライン・オブ・デューティ シーズン1のkitoのレビュー・感想・評価

4.0
全話5時間を一気見するくらい面白かった。

評価が高いのは知っていたのだけれど、ビジュアルやら汚職警官の話やらにいまいち惹かれず未見だった。このシーズン1でもかなり面白いと思ったのだけど、シーズンが進むにつれさらに面白くなるという評判で、最終となったシーズン6は英国では記録的な視聴者数だったそうだ。

"職務(Line Of Duty)"を逸脱した汚職警官に立ち向かう汚職特捜班AC-12のドラマ。米国だと内部調査とか「相棒」だと監察官だとかでその存在はしばしば目にする。調査対象の刑事、警官たちからは毛嫌いされるのが定番で、本作でも罵声を浴びせられ、酷い嫌がらせをされる。日本の警察ではそこまではしなさそうだけど(案外やってるのかもだけど)、汚職捜査のため正体を隠して調査対象のチームに潜り込む。そのスリルはテンプレとわかってはいるのだけどやはりハラハラもの。

メインキャストのひとり、マーティン・コムストンは元プロサッカー選手だそうで、少し小柄で童顔にも見え、何だか濱田岳っぽい。前職のテロ対策班の突入捜査で失敗を犯し、左遷されたというリアルにありそうなキャリア。熱血漢ではあるのだけれど行動がいささか直情的で、正直あまり魅力的とは思えない。シーズンを追うにつれ人間的に成長していくことを期待したくなる。

一方、ストーリーは「刑事コロンボ」のように被疑者となる黒人警部目線で主に進む。彼は根っからの悪徳警官ではなく、元カノに騙されてにっちもさっちも行かなくなる。その状況が見ている側にもわかり、韓国映画の「最後まで行く」のようにどんどん追い詰められていくので、再生が止められなくなった。BBCの同じ黒人刑事ものの「ジョン・ルーサー」も思い出す。演じているのは未見だが「ウォーキング・デッド」出演で有名なレニー・ジェームズだそうで、何だか憎めないその悪者っぷりは濱田岳似くんより魅力があった。
kito

kito