なかなか面白かったのだけど、メインキャスト三人の女性が程度の差はあれど揃いも揃ってみな悪女なので観ていて少しイライラが募る。
「刑事〜」「警部〜」というタイトルは警察ミステリー、特に英国ミステリーで良く見るけれど、「警視〜」というかなり上級職な主人公は珍しい。劇中のセリフでもあるけれど、もう危険な最前線の現場に出る必要はないはずだけど、この女性警視は陣頭指揮を執り、発砲も躊躇わない。
根っからの刑事魂ーーなんてわけはなく、とにかく上昇志向が強く、次期署長を狙って手段を選ばない。男社会の警察の中で女性が出世するのは並大抵ではないのだろうが、彼女は絵に描いたようなヒールで、神をも恐れぬその所業はもはやサイコパスと言っていい。
なので、終始、何かドジれ、発覚しろ、捕まれと願いながら観てしまい、気分がどんよりしてしまう。ただし、最終話の謎の解明はなかなかの驚きだった。早い段階からちゃんとヒントは提示されているけれど、まさかねえ、なるほど!と唸ってしまった。
先週観た「コール・オブ・デューティ4」と同じ2017年オンエア。あちらも悪知恵の働く女性警部が悪役だった。フィクションとはいえ、こんな悪徳警官ばかり出てきたら、警察への信頼が損なわれるのではないだろうかーー知らんけど。
一話45分の4話完結で観やすいのだけど、あちこちで突っ込みたくなるご都合主義的展開が目につく。いささか2時間サスペンス感があり、同じ悪徳警官ものの「コール・オブ・デューティ」ほどの完成度には至っていない。ベッドでの情事の直後なのに下着を付けたままという非現実的と指摘される "あるあるシーン" まで出てきたのには萎えた。
文句が多いけれど結構楽しんではいて、続編のシーズン2で完結するようなので事前情報をシャットアウトして、どうか天罰を受けろ!と願いながら引き続き観ようと思う。
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