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ライン・オブ・デューティ シーズン2のkitoのレビュー・感想・評価

4.2
中毒性のある面白さで、また一気見してしまった。

シーズン1の全5話から全6話に拡大、同時に世評通り面白さも大きくアップグレードしている。当初は二、三日に分けて観ようと思ったのだけど、いったん見始めたらもう止められなくなってしまった。1話1時間で最後は必ず意表をつく展開となり、すぐまた次が観たくなる。今回は動画配信サービスで一気見ができるから良いけれど、もしリアルタイムな一週間ごとのオンエアで観ていたら、きっと悶え死にするだろう。

シーズン1では当初から被疑者のヤバい対応が倒叙形式で描かれていたが、シーズン2ではその点が曖昧なまま進む。今回のプライム・サスペクト(第一容疑者)は女性警部補。この警部補という役職は最前線に立って捜査にあたり、その分、責任も大きい(あのコロンボも吹き替えでは警部と呼ばれるが、正確な役職は警部補にあたる) 今回の事件では彼女のこの立ち位置が重要。

彼女を演じる俳優が上手い。元々の素のキャラもありそうだけど、影があり寂しげな薄幸の女性にハマっている。日本でいうと女優の木村多江な感じ。しかし、そこはさすが英国で、彼女には強靭な精神と優れた頭脳も備わっており、これには汚職特捜班AC-12のメインキャスト三人もタジタジになり、観ている側も怖くなる。それにしても、三人とも揃いも揃って何だかなぁな性格、人生を歩んでいて、こういうキャラをメインに当てるところがなんとも英国ドラマらしい。

本シリーズの魅力はやはり優れた脚本にある。二時間程度のミステリー映画では細部まで十分には描き切れず、またフルクールでは間延びしてしまいがちで、この6時間の映像化というのが絶妙に良い。まるで優れた警察ミステリー小説を読み終えたような満足感を覚えた。

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