ラスコーリニコフ

ベルサイユ シーズン2のラスコーリニコフのネタバレレビュー・内容・結末

ベルサイユ シーズン2(2017年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

シーズン2は宮廷内の堕落とオラニエ公との領土闘争が中心となり、シーズン1よりも深みが増している。若き日の太陽王の人間的な苦悩に焦点を当てており、日本の大河ドラマよりも遥かにレベルが高い。
時代背景として、ルイ14世時代のフランスは一つの絶頂期であり、外交術が確立されていく時期でもあるが、それに屈しなかったオラニエ公もかなりの実力者だと言える。オラニエ公が名誉革命によってイングランドに軸足を移したことで、ナポレオン以後のイギリスの絶頂が築かれたのだろう。
また、モンテスパン夫人との愛欲にまみれた生活が、女たちの宮廷闘争にも発展していく。王の寵愛にたよる女性の儚さが描かれているが、これは現代の水商売と共通する面があるだろう。風紀を維持したい教会との軋轢も自然な流れだ。

他方、庭師や女医などの魅力的なキャラクターが呆気なく死んでいくため、残念ではあるが、続編は想定していないのだろう。
ただ、宮殿の中心である鏡の間が出来る前にシリーズが終わってしまうのは、タイトルにそぐわないとも言える。