ラスコーリニコフ

ローマ帝国 カリグラ:狂気の皇帝のラスコーリニコフのレビュー・感想・評価

4.0
近親相姦などで悪名高いカリギュラの物語。これまた悪名高いティベリウスの下で、意外にも初期のカリギュラは賢く振舞って生き残ったことが判明する。偉大で人気のある父の後光もあり、ティベリウスを暗殺することで戴冠したカリギュラだったが、不運にも脳炎に襲われ、人格が歪んでいく。我々がよく知るカリギュラはこの時期のものであり、妹と子を成そうとして淫靡な生活に浸っていく。最終的には疑心暗鬼になった独裁者と同じく、身内の裏切りによって暗殺され、叔父のクラウディウスが跡を襲うこととなる。生き残りを賭けたスリル感は今でも十分面白いものだし、カリギュラの再評価にも繋がる良作だった。