主人公の名前は平成(ヒラナリ:岡山天音)。平成元年に生まれたので縁起がいいと、父親が命名した。流されやすく優柔不断な性格。田舎でサッカー選手やミュージシャンなどの夢を抱きながら東京に強い憧れを持つようになる。大学進学を機に上京。しかし勉学にはあまり身が入らず、大好きな音楽にのめり込み、もっぱらバンド活動とバイトに明け暮れる日々を過ごす。そんなヒラナリと幼なじみの女性、結(ユイ)も平成元年に生まれ。時代を結っていける人になるようにと名づけられた。天真爛漫で、自然と周囲を明るくする性格。ヒラナリとはお互いに好意を抱きながらも、うまく表現できず幼なじみの関係から進めずにいる。デザインを学ぶ地元の短期大学に進学した後、就職活動のため上京。そこでヒラナリと再会して・・・。 かたや、上京したヒラナリには恋人ができていた。同じ大学の紡(ツムギ)という女性で、同様に平成元年生まれ。時代を紡いでいける人になるようにと命名されたツムギは、聞き上手で自分よりも他人を尊重する気質。ヒラナリとは半同棲をしているものの、明確に「付き合って」と言ってくれないヒラナリに一抹の不信を感じている。ヒラナリ、ユイ、ツムギ―「平成という時代を通して、いったい自分は何者になれたのか?」不安を胸に抱きながら、3人が恋に、夢に、友情に、そして家族に向き合い、喜び、悩み、笑い、涙する物語。
なんでもない、けれどかけがえのない瞬間。それは平成で、一番綺麗だった日―。「平成物語」待望の第二弾。