主演2人の抑制の効いた感情表現と、それを存分にじっくり見せる演出！名作！！
貧困とか社会的弱者とか大企業の中の後継者派閥争いや権力闘争とかが描かれているのに、劇的な表現が少なくて、緻密繊細です。
正直者がバカを見たり貧乏くじ引かされるような世界って、一見すると合理的なロジックだったりして、そこにある理不尽さは当事者以外にはあまり伝わりにくい。それを誰にでもわかるようにわかりやすく描こうとすると、妙にドラマチックですごくちんけな感じになったりしてリアリティがない。ってなりやすいと思うのですが、そうならないように丁寧に演出されていて惚れ惚れしました。
イソンギュンが一人で号泣するシーンは最高で、多くの大人たちの内側に存在して（しかし内側にしか存在し得ない）空虚さが滝のように激しく流れ落ちるのがたまらないです。
後渓洞のおじさん陣が背後で話している会話にも毎度毎度虚構とは思えない真実味があるので（実際背景の会話は総アドリブらしいけど）、とても奥行きがあります。
いいドラマだなぁ。こんなの見たらIU気になっちゃうなぁ。
生活状況の割に綺麗で清潔で健康そうなおばあちゃんと、盗聴の音声のクリアさはさすがにリアリティがなさすぎたけども。
