ろ

俺の話は長いのろのレビュー・感想・評価

俺の話は長い(2019年製作のドラマ)
5.0

「人生で大切なことほど、どうして誰も教えてくれないんだろう。」

満を中心に、岸辺家の日常が綴られるストーリー。
恋に仕事に受験、家族の様々なトラブルに巻き込まれながら(片足を突っ込みながら)、満自身も人生を模索していく。

高校に行かず、ラジオパーソナリティになるために専門学校で学びたいと主張する姉の娘。
揚げたてのトンカツをお預けされてしまった満は、渋々説得に向かう。

「みつる兄ちゃん言ってたよね?『今だ!』と思ったから大学中退して珈琲屋始めたって。私も同じように『今だ!』って思ったんだよ。」

「でもすぐに始められたわけじゃないんだよ。開業資金を貯めるために一生懸命働いた。お前はお金じゃなくて、経験をもっと貯めたらどうだ?」

満の説得中、会話を聞いていた両親は放送部のある高校をリストアップ。
冷めたトンカツは、翌日ホカホカのカツ丼に姿を変える。


食卓での言い争い、海での語らい。
毎話、満の言葉にドキっとしたり涙が出たりした。
普段は屁理屈に揚げ足取り、だけどここぞという時は確実に決めてくる。
屁理屈も寄り添いも、きっと同じ原理で、同じように人の心を掴むんだということを、最終回を見終えた今、実感している。

「ロッキー」のテーマ曲、何度も間違えながら演奏されるあの曲が、不格好だからこそ力強くて、それこそワンチームって感じがした。

あの掛け合い漫才みたいな日常、愛おしくて、永遠に見ていたい。
ろ