失踪した妻を探して娘とともにその故郷である山深き山村に赴く医師。早速そこで殺人事件が起きる。
村は古き伝統と利権を守ろうとする一派と新しい村を目指す理想に燃える若い一派とぶ分断されている。
妻の失踪は12年前に行われたエイキチ様と呼ばれる祭りの儀式が関係していることを探り出す。さてその真相は？
という閉鎖された村で起こる横溝正史のような怪奇ミステリー。
トンネルが壊れると全く孤立してしまうような陸の孤島である村独特の利権構造とそれに頼る人々…，それに対して反発する若者たちという日本の国そのものを思わせるような設定であるが、所謂ど田舎のお話なのだが全員が標準語を話し登場人物はみんなあかぬけていてと都会的。
主人公の松田が一番田舎者みたいな顔している。
閉鎖的で嫌ぁな雰囲気が漂っていれば臨場感はより感じられたと思われる。
村を仕切る支配者のような男に伊武雅人。その息子たちは皆馬鹿が暴れん坊という一方的な設定。
理想に燃える若者達に既得権益者が潰されるような構成かと思いきや、急激な真相解明に思わず笑ってしまった。
特にどでかい藁人形のエイキチ様がドサーっと倒れるシーンは昔あった大映特撮映画の「大魔神」を思い出してしまい，声を出して笑った。
妻は失踪でもなんでもなく主人公の自己満足のためだけに村に行ったとは。そして犯人はただ私怨のためだけに若い連中を集め団結していたとは。利権のため生活のために右に習うのはなんとなくわかるが，犯人には大義も信念もない。
ドラマWにしては底の浅い深みのないドラマだった。
