バリカタ

夢みる小学校のバリカタのレビュー・感想・評価

夢みる小学校(2021年製作の映画)
2.0
本作に取り上げられる学校の理念はとても素晴らしいものだと思います。さらに長い間実践されて来られた実績、そして何よりもこの笑顔笑顔笑顔です。子ども達の笑顔はいいですねー。
「ほりさん」は、いとも容易くおっしゃいます。
「自由には責任が伴いますと言う言葉はここではタブーです。責任は大人が取るんです」
なかなか言えない言葉ですよ。

いつの頃からか自らの判断や行動に責任を取りたくない大人が増えてきた。
だから、枠にはめようとするんだろうな、あれダメこれダメをするんだろうな。はみ出たら想定外のことが発生してその際にトラブルになれば責任取らなくちゃならないしね。やりたいと言えばやらせないか、安全な道に乗せる。欲しいと言えば与えちゃう。そりゃぁ、子供にとって息苦しいしつまらないだろうなぁ。ちなみに会社を始め大人の社会も同じようなもんですよね(笑)責任逃れ、無難な対応、なんだったら事実の改ざん。笑っちゃいますよね。やるための方法を考えずに、できない理由を探す。そんな大人ばかりじゃないですか(笑)

紹介された学校の子ども達を見ていると、公園で日が暮れるまで幼なじみ達と遊び、遊ぶためのルールや道具を作り、あてもなく冒険してたころを思い出しました。泥遊びして、田植えして、親と一緒に小屋作ったりしたころを思い出しました。あぁ、スマホもゲームもないし民放テレビ局は2局しか映らない地方だったけど、僕は豊かに育ったんだなぁと思いました。

もちろん、答えは一つじゃないと思います。本作で紹介された教育理念は素晴らしいと思いますが、これが「絶対」ではないと思います。今までの教育だって実績残してきた例は沢山あるはずですしね。本作の評点を下げるポイントはそこです。中立性がないと思ったからです。どんなに優れたことでも100%はありません。なんらかの課題や難問があったりします。また、このような学校が増えていない理由はなんなのか?そこに舵をとりきれない理由があるはずです。その点を語ることなく、この教育サイコー!ってノリが全編流れているのです。それが気持ち悪いのです。紹介された教育理念は大賛成ですし異論はないです。あくまで作品に対する感想です。

尾木ママが言っていた教育方針変更のプロパガンダ作品になってんじゃないの?って思っちゃうのは、僕がねじ曲がった大人だからでしょうかねぇ?あまりに絶賛コメントと笑顔しかないから違和感を覚えるのです。ですからドキュメンタリー映画としてどうなのかなぁ?思うわけです。偏りを感じるものはテレビでは流せないのかなぁ?なんて思ったり。

けど、この作品で、この学校の教育を知ることができたのは、僕には大収穫でした。
子供が毎日笑顔でいられる世界、、、最高じゃないですか。大人は何がなんでもそれを作る責任があるのだと思いました。