【プロレスファンは絶対に観ましょう】
先行上映にて鑑賞。
事実通りに描いているわけではありません。
あくまで「基づく」です。
事実との相違点は鑑賞してお気づき下さい。
ですから「これは違う!」というのは無粋。
というか、事実を映像化することが目的ではなく
「なぜ、こうなってしまったのか?」
を描くところに本テーマがあるのだと思うのです。
当時の雰囲気、プロレスシーン、プロレス中継シーン
の再現度。(個人的にはブックとカメラに向かっての
マイクアピールのシーンが特に好きです)
兄弟を演じた俳優陣や登場する全レスラーの
「失笑コスプレ」では「決してない」本物志向の仕上がり
具合に舌を巻きます。昔、テレビで見ていたアメリカン
プロレスがそこにあります。
これ見るだけでもプロレスファンならうれしいはず。
そして、いわくつきのこのプロレス家族の物語。
知ってるけどぐいぐいと引き込まれていくのは
もちろん実話ベースってこともあると思いますが、
脚色によってとてもエピソードがとても分かりやすく
スッキリとしてテンポよく描かれているからかな?
本作はある家族の物語。
子供への愛情深い親と、その愛情と期待に応えようと
努力と葛藤を続けた息子たちの話。
この描かれ方はきっと監督の想いが反映されているとは
思いますが・・・うん、そうなんだろうなぁって
おもいます。元凶は・・・まぁ、それだよねって。
しかし、本作は暗澹たる暴露物語ではないですよ。
そこはまさに風車の原理。
最後の最後、3カウントが入るまで結果はわからないのです。
エンドロールが始まっても席を立たずに一家の試合の結果を
見届けてほしいです。
僕にはそれが願いのようにも、後悔や贖罪のようにも
見えました。
良い作品でした。