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大河への道のfilmaholicのネタバレレビュー・内容・結末

大河への道(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

期待以上でした..
中井貴一さんだから、日本史で習ったから見たいって思ってたけど教科書で習ったことなんて、膨大な資料の、もしくは資料に残されなかった莫大な歴史の一部でしかなかったなと改めて思う。
論文の目次だけしか習っていなかったんじゃないかぐらい知らないことだらけ。そして、映画やドラマで繰り返し描かれるのは大祭りな出来事と人物ばかりだなって。

日本地図を初めて完成させたのは?
伊能忠敬

とひとえに答えられなくなった。
高橋景保を、伊能隊を1818年と1821年を忘れられなくなった。

現代パートから入るんだけど
冒頭数秒の時代劇パートが、中盤にきて繋がる瞬間、うぉーーー!ってなって笑
現代のキャラもそれぞれいいんだけどふと江戸パートにうつっても違和感ない大河メンバーだったり中井貴一さんだったりでどちらの映画としても楽しめて。
橋爪功さんもすごくいいんだけど、やっぱり草刈正雄さんがくるとこれまた
うぉおおーーー!!ってなるの。
中堅の北川景子ちゃんや松山ケンイチ君からしたら中井貴一さんが大先輩なんだろうけど、さらに橋爪功さんや草刈さんがいると見てる方も嬉しくって。
ほんとーに中井貴一さんはキャラ作りが素敵だー。
伊能忠敬が実は生きていないことがもうばれそうで、自白した方がいいんじゃないかみたいなって、だけど、後世に残されるだろう、宝になるだろうって高橋景保が皆を諭したシーンでうるっとして。
若者が冥土までの距離を測量していきましょうって放ったセリフも。
ぬかりない北川景子ちゃんのえいも。
スネ夫前髪を自分で考えて作った松山ケンイチ君も、他の伊能隊のみなさんも、本当にすごくよかった。

伊能隊は、国語ができて算数ができて、美術ができて天文学ができて..天才。
今でこそドローンや衛星もあるしスマホもあるし。だけどスマホで検索して出てくる文章って、誰かが昔に立証してくれたことなんよね、そして、それが必ずしも真実だけとは限らないんだよね...もちろんあそこまで作ったのは伊能隊だけど、自分が死んだ後もあーやって思いを受け継いで、絶対完成させようってなるほどの存在であったことは間違いないので、まずは伊能忠敬が素晴らしい、そして伊能隊が素晴らしい。
と習いたかった、あまりにもそういう小さなチームが多すぎるよな。
シャーペンもインクもコンパスも何の機械もないあの時代に、スニーカーもジャンパーもなしで、電車も飛行機もなしで。
今自分の住んでる街やよく行くディズニーランドやユニバの形を正確に書いてと言われても無理だわ。
すごすぎた。
最後の日本地図CGのようだったけど
全部の紙並べたのかな...
ほんとに見てよかった
私は教科書に載るようなことはできない
だけど、載る誰かの小さな小さな何かにはなれるかもって少しだけ思えた。

中井貴一さんの泣きの芝居たまらんわ

原作 立川志の輔
企画 中井貴一
脚本 森下佳子

面白くないわけないチーム
後世に残したいと思ってくれたことに感謝

チラッと後から調べたら高橋景保も獄中で亡くなってから1年ほど塩漬け保存?されて改めて斬首刑として裁かれたとか..
運命ってあるのかもしれない
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