回想シーンでご飯3杯いける

HOMESTAYの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

HOMESTAY(2022年製作の映画)
3.7
amazonプライムのオリジナル映画としては珍しい日本製作の作品。森絵都の小説「カラフル」が原作で、2010年にはアニメ映画化、2019年には「ホームステイ ボクと僕の100日間」のタイトルでタイで実写映画化されている。

各々、絶妙に間を置くタイミングでリメイクされているので、記憶が曖昧になっている部分もあるのだが、原作譲りの児童文学然としたアニメ版に対して、タイ版を含む2本の実写版は、主人公を高校生に変更し、恋愛要素を含めた青春映画として楽しめる作りになっている。

死んだはずの主人公の魂が、ちょっととぼけた感じの天使に誘われ、生きた人間の身体に宿って人生の追体験をするというプロットは、フランク・キャプラによる1946年の名作「素晴らしき哉、人生!」の流れを汲んでいる。この手法は、最近だとピクサー/ディズニーの「ソウルフル・ワールド」でも取り入れられており、もはや映画の古典的手法として、多くの観客に親しまれている。

この日本版「HOMESTAY」では、天使役として何人かの個性派俳優が登場するが、最初に出てくる濱田岳が抜群のはまり役であった。原作タイトルを連想させる色使いが印象に残る作品でもある。