自分探し≒自殺ムービー
前衛劇団少年王者舘主催の監督作品。
子供が駆けずり回って父や母や自分に会いに行く話。
主戦場は劇場なだけあって固定されたカメラワークや平面的な構図が多く用いられている。劇団との差別化として早送りや巻き戻しが効果的に使われている。
セリフは言わない無声映画スタイル。その分気の抜けたBGMやコミカルなSEが頭に残る。
子供はいろいろなところを駆けずり回る。動き方が下手なやつが動かすゲームキャラみたいで面白い。
海沿いを歩く。麦わら帽子を後ろに率いて。麦わら帽子を100個くらい使っていた。印象的。
ラストシーンの走馬灯のような横のアングルのワンカットは見応えがあった。そして電車。そこでようやくこの作品のテーマが「死」だと気づいた。凄すぎて2回観た。
2回目観た時は全員が主人公に手を振っているシーンに鳥肌が立った。
あえて無声映画スタイルにしていたからこその最後の「さよなら」の破壊力。