チーズ

ダウントン・アビー/新たなる時代へのチーズのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ダウントン・アビー

1928年、イギリス。
とあるお屋敷で身内の婚姻祝いの宴が行われようとしていた。そして、ひょんなことから映画制作会社からの打診で、屋敷を舞台にした映画撮影が行われることに。

嫌がる者、心躍らせる者。外部の人間を受け入れ、互いに関わるうち、影響し合い、変化していく。さまざまな人間たちの関係性を柔らかに描いた、温かいストーリー。

ーーーーーーーーーーーーー

クロッキーに夢中になってしまい半分流し目で見ていた…けれど、

とにかく衣装や舞台セットがきれいで、
当時の令嬢や貴族たちの素敵で華やかな雰囲気を味わえた。

最終的に屋敷の住人がほとんど(全員?)が総出で映画に出演することになり、皆が年代や階級等関係なくワクワクして撮影に望むシーンは、人々の楽しそうな気持ちが華やかな衣装や音楽と相まって、見ているこっちもワクワクさせられた。楽しかった。

登場人物の皆さん、人の愛し方、行き先についてとても寛容で、他人というものをありのまま受け止める感性が自然に身についている方々ばかりで、とても暖かな気持ちで鑑賞できた。個人的なイメージだが、このような時代に、マイノリティの立場にある人々や、自身より下の階級の人間に差別や偏見を露わにせず接することができる人間というのは、当時からすると結構珍しかったのでは?と思う。

最後、マーガレットを家族皆んなで見送るシーンがあったが、そこが一番印象的だった。人が亡くなる瞬間って大抵は横たわっているから、まるで眠っているだけのように見える。ここ数年で亡くなった祖母を思い出した。死と眠りの境界線というのは、見ただけでは全然わからない。彼女は死の間際まで意識がはっきりしており、最後に、「うるさくて死ねないわ」と、割とはっきり発声していた。なんだ普通に喋るんじゃないかと思って見ていたが、気付いた時には目を瞑り、静かに亡くなっていった。しっかり見ていなかったのでわからないが、年齢的におそらく寿命では無いと思うので、何か病を抱えて弱っていたと思うのだが、人ってこんなにサラッと空っぽ(魂が抜けた状態)になるのだなあとなんだか不思議な気持ちになった。
チーズ

チーズ