チーズ

アステロイド・シティのチーズのネタバレレビュー・内容・結末

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

1950年ごろが舞台。
アメリカの砂漠の街で、功績のある人々のための授与式が行われようとしていた。すると突然、宇宙人が降りてくる。騒然とする人々。一時的に閉ざされることになった砂漠の街。人々は、それぞれ自由を求め行動を起こしていくことになる。

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とにかく色彩が綺麗だった。それが一番印象的だった。この監督の映画は割とカメラワークがシンプルで淡々としているけれど、決してあっさりしているわけでは無く、一つ一つが一枚の絵のように美しくて見応えがある。
現実世界が舞台となる話なのに、パステルチックな色彩と、登場人物の台詞回しによってファンタジックな雰囲気も味わうことができる。とても楽しかった。

ストーリーに関しては、ぼんやり見ていたのか、あまり流れについていけず、抽象絵画を見ているような気持ちでいた反面、最後の「目覚めたければ眠れ」という登場人物たち総出で語りかけてくるセリフにはハッとさせられた。目覚めたければ、しっかりとした思考、行動を起こすなら、まずは眠らなければ…そういうことを言いたかったわけではないかもしれないが…なぜだか、ああ、そうだよな…という気持ちにさせられた。ずっと舞台上の人、だったのが急に現実味を帯びてこちらに歩き出し、訴えかけてくる構図は、当事者意識を喚起させられようにも感じた。人ごとではないぞ。と言うような…

まあ、とにかくこの人の映画は大好きだし、夏までに全作観ておきたい。この人の世界にずっと浸っていたい。
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