チーズ

レミーのおいしいレストランのチーズのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

レミーという、非常に嗅覚に優れたネズミがいた。彼は人間のとあるシェフに憧れており、料理にも関心があった。

ある日、レミーは仲間たちと逸れてしまい、パリの街で憧れのシェフの料理店を見つけた。すると、味が台無しになっているスープを目にする。見ていられず、思わず調理場に侵入。味を整えなおし、より美味なスープへと変化させるが、それが新人のリングイニの手によるものだと勘違いした周囲は、彼に料理を任せるようになってしまう。ネズミのレミーと調理場の新人、リングイニは秘密裏に協力し合い、料理を作っていくことになる。

しかしある日、レミーとリングイニは喧嘩をしてしまう。その日は料理評論家がやって来る大事な日だった。レミーがいないため、思うように調理が進まないリングイニは調理場の仲間たちから見限られてしまうが、レミーや、その仲間のネズミたちの活躍によってなんとか事なきを得る。

その後は、調理場にたくさんのネズミが発生したという記事が広まったことで店は閉業してしまうが、レミーとリングイニはまた新しい環境で手を取り合い、楽しく料理を続けていくのだった。

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展開が二転三転あって面白かった。

疑念抱くスキナーに、リングイニが酒を飲まされ続けて誘導尋問をされるシーンでは、ポロッとレミーのことを話してしまうのではとドキドキして見ていたが、どれだけ酔ってフラフラになっていても決してネズミのレミーのことは話さなかった。普段弱々しく頼りなさげに見えるリングイニの性根の良さが垣間見えて、コレットもリングイニのこういう内面に無意識に惹かれたのかもと思った。

また、コレットが、フランスの調理場の男女比、女としての料理人というものが世間的にはどういうものなのか、リングイニに熱く説明するシーンがあったが、2024年現在でも調理人という役割や考えられ方に男女で差はあるのか、少々気になった。料理の仕事でも男女で格差があるのは(あったのは)この物語だけのフィクションではないだろうし興味があるので調べてみようかと思う。

総じてとても楽しくて温かな話だった。楽しかった。
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