■概要
ラストマンと呼ばれる男に背の高いアサシンは地図を渡され、スーツケースと共にダイビングポッドに乗り、地獄の下界に降り立つ。
降り立った世界では永遠と製造されるクローンとそれを捕食や惨殺する赤子の声を発する生物達が織りなす狂気の世界だった…。
■感想(ネタバレなし)
ロボコップやスターウォーズなどの特撮を手掛けたフィルティペットが本作を着手していたが、CGに成り代わる技術を目の当たりにして断念。
倉庫で眠るこのセットを発見したクリエイター達と完成させるに至ったとのこと。
ストップモーションの狂った完成度の中、言語は全く存在しない異質な世界観を描く本作は間違いなく怪作。
とはいえ正直2回は気絶する(寝落ち)に至るほど意味不明なグロテスクなシーンが続く。
ストーリーと呼べるものや理解しようとすること自体に意味はあまりないかもしれないため、本作を観るには人を選ぶ。
とはいえおそらくの解釈はあるためネタバレには記載しておく。
個人的には嫌いではないがまた観たいかと言われればもうお腹いっぱいではある。
■感想(ネタバレあり)
・地獄の輪廻
ただただ製造され意味があるかわからない作業をさせられ捕食か無意味に殺されるクローン。
アサシンはボロボロの地図を辿り目的地で爆弾を仕掛けるが回路は作動する前に謎の怪異に捕まり、医者達に解剖される。
腹からはあらゆるガラクタが出現するが赤子のような幼虫を見つけ出す。
それを錬金術師に渡すと、錬金術師は赤子を潰し金を作りその金を窓から巻く。
惑星が誕生し、文明が発達するが戦争により文明は滅ぶ。アサシンが仕掛けた爆弾が起動を始め時が来る。
爆弾が起動しておそらく地獄は破壊されるが、新たな破壊された文明で地獄がまた形成され繰り返されるのであろう。
・総評
おそらくだが人類の歴史と退廃を宇宙単位では何度も繰り返しているのではないかという内容をグロテスクに描き出したSFなのだとは思う。
ただ理解をしたところで一体ひとつひとつの映像描写の意味のわからなさはあるので、なかなかとっつきづらい。
前衛的な芸術作品を観たとしか言いようがない。