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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのSSDDのレビュー・感想・評価

3.7
◼︎概要
高校生達の中で霊体憑依させた様子をSNSにアップするという行為が流行り出す。
興味本意で手を出すティーン達に予期せぬことが襲いかかる…。

◼︎感想(ネタバレなし)
憑依を90秒以内ではないといけないという独自のルールを設定することで、SNSとの親和性が高く流行っているという目の付け所がなかなか斬新。
憑依体験=ドラッグとしての風刺となっており、監督はドラッグで人体実験を若者達が楽しむ様子の動画を観た際に本作をインスピレーションを受けたとのこと。

非常によくできた設定と映像的な描写なのだが、いかんせん登場人物達に全くもって感情移入できず、特に主人公がそらあなた浮くわ…ってレベルでひたすらに嫌悪感を抱く対象。故に観ていて苛立ちが強く、全然物語として入ってこなかった。
かなり面白い作風だったのにはまれず非常に残念。









◼︎感想(ネタバレあり)
・依存体質
主人公が元々依存体質で母親という依存先がいなくなったことで、友人家族に依存。
憑依体験=ドラックに依存し、親友の彼氏に対しても都合よく擦り寄ったりと弱すぎる人間である。
現実的にいるタイプで周りのコミニティーの関係値を破壊し尽くす、メンヘラ女子であり、なんなんこの義理人情ゼロ人間ってなるので苛立ちが半端ない。

・設定の斬新さ
手の形の呪物というビジュアル的にもわかりやすく、霊体と繋がっていることも離せば憑依を解けるというのも視聴側に理解させやすい仕組みが上手い。

そしてこの手の呪物自体がドラッグの依存した人間が快楽と破滅を誘おうとしているミームにも取れるのも良い。

また憑依体験を密かに行うものではなくパーティ形式で皆で楽しむという風習化しているのも、悪影響のあるものを流行りだからとすぐに取り上げてSNSで笑うという風刺にもなっているのも斬新だった。

・バッドエンド
ホラーは基本バッドエンドが好きだが、本作は依存体質で孤独を感じていた主人公が、自己犠牲を払うが真の死という孤高の闇に包まれ虚無に呑まれる。
そして処分されなかった手から自分が呼び出される側に変貌しているというラストはかなり素晴らしいかった。
途中の不愉快な主人公の振る舞いもこのラストシーンまでのカタルシスとすれば、いいのだがいかんせん嫌い過ぎた。
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