竜平

ONE PIECE FILM REDの竜平のレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.4
尾田栄一郎が自ら監修する「ONE PIECE FILM」シリーズの第4弾、にしてアニメ劇場版15作目。歌姫として世界を席巻し始めているという謎多き女性「ウタ」の大規模なコンサートへ足を運ぶ麦わらの一味、そこから始まる世界を巻き込む大事件を描く。

ワンピースに関しては原作の漫画ガチ勢(若干アンチアニメ勢)な身として辛口の感想になってしまうんだけど本当ごめんという感じで。今作はひとまず「考えるな感じろ」な作品かなという印象。まず前半なんかはとにかく長い長いミュージックビデオを見てるような流れ、ミュージカル映画とか好きな人はすんなりと入れそうな雰囲気だけども、これまでの劇場版とは明らかに違う展開の仕方。そこでの楽曲はというとパワフルな歌声にアップテンポな曲調に、個人的に良曲と感じるのもあったし、Adoのことを全く知らない身としても心躍る部分ではあった。ただライブ感という部分に関して言えば自分が思うものには程遠くてやっぱりミュージックビデオの域を越えないというか、スクリーンで見る意味をあまり感じないのが正直なところ。アニメキャラが「MV風」に歌う映像に対して見てて少し小っ恥ずかしくなってしまう性分もあるっちゃある、これって俺だけなんかな。というわけで前半はとくに「考えるな感じろ」なのかな、なんて。

ストーリーとしてはウタを軸に、ルフィやシャンクスなどの主要人物との関係性、これまでの経緯などが後々描かれていくあたりはまさにワンピース節という感じ。歯痒いエピソードを見せられてからの「じつはこうでした」の流れで胸のすく想い、又は切ない想い。ワンピースという作品としてはこれまでになかったようなSFというかファンタジーな設定がしばしば。近未来的だったりオカルトチックだったり、ここらへんの境界線は漫画でもすでに曖昧になってきてるけど、それよりも更に今作はぶっ飛んでるなーなんて。これは良くもわるくもね。そんで種明かしの部分には衝撃や深みがちょっと足りなかったかなーというところ。これなんかも、やっぱりそもそも連載中のメインストーリーでもっと激ヤバ展開を堪能してるだけに、劇場版にももっととんでもないものを期待しちゃうってな意見、ってこれも俺だけなんかな。

とは言え、グッとくる場面もちゃんとあったのは事実で、ルフィとシャンクスの関係性をずっと見てきてる身として終盤のとある場面では大いに燃えた。そこらへんでの音楽の使い方にも感動、鳥肌。総じて、つまらないことは全くない、フツーに楽しい一本。あと特典の薄コミックもちゃんと貰えたから俺は満足。何はともあれ最終章へと突入した漫画から目が離せないっす、はい今作と関係ない感想でレビューを終えるっす。
竜平

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