スカポンタンバイク

ONE PIECE FILM REDのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
1.5
ゾロの「いくらルフィの幼馴染だからって、こりゃあ自由にし過ぎじゃないか?」

観てて全く同じことを画面に向かって言いたくなった。
Adoが歌う事が悪いとかは全く思わないんだけれど、多分脚本と監督が悪いんだろうな。脚本は本当にバカ脚本だと思った。とにかく、ウタの存在とワンピース要素と全く噛み合っていない。観客が初対面の段階から、ウタってキャラクターが全世界で話題で人気のいう前提でライブが始まってしまうため、「あれ?作品間違ったかな?』感が凄まじい。これは本当に、もっと上手い乗せ方なかったのか?と思ってしまった。あと、ウタの世界を救う歌の必要性っていうのが、世界の人たちが具体的にどう困って不幸なのかという積み上げが全くないため、実感が湧いてこない。これは「ダークナイトライジング」のベインの革命が全然ピンとこないのに近い。
あと個人的に、ウタワールド内があんまり現実と違わないから、そんな理想郷感がしなかったな。一方で、現実世界での赤犬の強行作戦は唐突にライブ会場を戦時下みたいにするので、起伏がある世界は寧ろ面白かった。ある意味発見かもしれない。
この作品を作った人たちはおそらく、MV的に色んなアニメーション表現を試したかったっていう事なんだとは思う。それ自体は上手くいってると思う。結構「お」となる演出には溢れてたと思う。でも、思い入れがない上に好きになりづらいキャラクターのライブシーンは見てて辛いものがある。
本当に、話がもっとなんとかなってれば、大分違ったと思うんだけど。

※追記(ネタバレ)
ワンピースって作品自体の設定を守るためだか知らんけど、そのためにウタを死なせる話運びにするってのは凄く不快。「コードギアス」のルルーシュのようなキャラクターの死で物語に重大な意味をもたらすみたいな効果が全くない。ワンピース、物語のキャラクターへの愛はどこにあるのか?鬼滅の刃に変な感化を受けてるんじゃあないよ。キャラクターが死ねば自動で感動してもらえると思ったら大間違いだ。