このレビューはネタバレを含みます
BL漫画を題材にした、というより好きなものによってつながった人たち、何かを好きになり、共有することに境界などないということを描いた素晴らしい映画だったように思う。
自分自身、映画を作る仕事に就いているから、うららの気持ちも、コメダ優の気持ちも良く分かる。何かを作りたいという衝動は、それが好きで好きでたまらなく、こういう物語ってないのかなという、言ってしまえば単なる妄想から生まれるものだったりする。
それに意味があるのかと言われれば、ないのかもしれないし、やっていて辛いことのほうが多いのだが、やらなければならないことをやっている気持ちにもなるし、結局終わってみれば楽しかったと思えることなんて往々にしてある。
そうして世に送り出した自分の作品が誰かの支えになり、誰かと誰かを繋ぐ力になること、作り手としてそれ以上の喜びはないのではないだろうか。
自分も映画の業界ではまだまだ青二才。ときには悩むこともあるが、というより悩むことしかないのだが、自分の好きだと思えるものを信じて突き進んでいこう。そうすれば、もしかしたら雲が切れ、太陽が現れ、朝が訪れるのかもしれない。