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オッペンハイマーのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

公開前のゴタゴタがなければと心から思う。あのゴタゴタは某WB社の歴史的認識に対する軽薄さ(原爆の投下の賛否というより、その事象の歴史における重大さ、それに対する認識の甘さ)を露呈したとともに、結果として本作を不名誉な形で世の中に知らしめてしまった功罪は極めて大きいと思う。

本題に戻り、本作の感想。文字通り言葉も出ない。他の方も触れているが、本作は原爆投下の是非を語ることに主眼をおかず、あくまでオッペンハイマーが歩んできた歴史を彼の視点から温度を持って描こうとしている。

こうしてみるとアメリカは時代の変化とともに、そのイデオロギーも大きく変化してきたのだと改めて思う。それでも結果はどうだろう。オッペンハイマーとアインシュタインが言葉を交わしてから、この世界は確実に破滅の日へと向かっている。未来は現在の延長線上にあるということを、ラストショットのオッペンハイマーの目から強く感じ取った。

ここから何を感じ取るのかも我々次第。何事も歴史からしか学ぶことはできないのだ。
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