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ハケンアニメ!のsacoのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.5
アニメーション制作のあらゆる面を見られて興味深かった。
作家だけでは、成り立たない細かい作業や、専門分野で関わる人たち、裏方の事とかよく分かった。
新人監督を体験する吉岡里帆が、初め、たどたどしくまごついていたのが、声優の女性の気持ちを理解するあたりから、俄然覚醒してきて、物語が面白くなりました。
劇中で出来上がっていくアニメも中途半端ではなくしっかり描いてあり、その辺の見応えもありました。
隣の太陽くんに、「この世の中、繊細なもんなんてないんだよ。その中から自分に刺さるものを見つけるの」みたいな吉岡の言葉が印象的で、ラスト、ベランダから子供たちを見下ろして、”届いてる”というシーンは感動的だった。
あと、やっぱり要(かなめ)は柄本佑だ。
クールに装って、けど凄く賢く企画の流れをプロデュースして、表情には出さないけど、熱いものをもっているキャラクターをとても格好よく演じてました。
最後のステップを踏む後ろ姿もクスッとなって思わず顔が綻んだ。
細かいところで、いちいち胸に染みる作品でした。
見て良かったです。
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