JunichiOoya

なん・なんだのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

なん・なんだ(2021年製作の映画)
3.0
国映の名もクレジットされていたし、佐野和宏さんというピンク映画の名優が出演。脚本の中野太さんは荒井晴彦さん直系の弟子。極め付きは音楽が『れいこいるか』『東京の恋人』(これは監督作ですけどね)の下社敦郎!
絶対いかがわしい系=私の大好きな、の映画! って思ったら監督は三池崇史さんのお弟子さんらしくて、つまりは職人系の娯楽作畑の人?

私の中では「おすもうさん」(『菊とギロチン』)だっり「妹」(『岬の兄妹』)だったりした和田光沙さんが、「娘・妻・母」をちょっと器用貧乏的に演じてるのが楽しいだけ(と言ってはあんまりですが)な仕上がりに。

結局、一番の命取りは主演女優さんじゃないかしら。彼女の巷間言われるイメージに乗っかった悪趣味なパブリシティなのかもしれないけれど、監督や脚本をけちょんけちょんに腐したインタビューがほんとに印象悪いです。

監督を「頼りない」って悪様に言いますかね、普通。あなたはその「頼りない」監督の元で一本映画を完成させたのよ。

いやあ烏丸せつ子といえば、クラリオンガールですよね。(もっともアグネス・ラムと蓮舫なんかとは較べるべくもありませんが)役者さんなの?
彼女とほぼ同年代なので出演作はだいたい見てますが、『松ヶ根乱射事件』『教誨師』『東京綺譚』くらいかなあ、印象的なのは。ま、どれも代替可能な役どころだったと思いますけど。

そんな人が、実績は別にしても40過ぎのおとなを「若造」と決めつけ、やたら謗って、でも出演は辞退せずにしっかり撮り終えて。いや、あなたも作り手の一人なんですよって話。

まあ映画そのものは可もなく不可もなくで(って私は部外者の一映画ファンだから無責任に言えるのですよ)、鴨川デルタの飛石がやたらしつこく出てきたのは嫌だったけど、烏丸さんに「なんでドローンなのよ、俯瞰でいいじゃない」なんて言われる筋合いは微塵もないと思ってます。

あと、実はポスタービジュアルにもなってる夫婦二人が持ってる紙切れ、映画を見ながらてっきり「離婚届」だと思ってた。「いやあ、いろいろあったけどこれでようやく納得づくの縁切り成立やね」だと思い込んでたんですけど、そういう脚本ではなかったようです。

山嵜晋平さん、次回作もどうかがんばってくださいな!
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