バリカタ

私だけ聴こえるのバリカタのレビュー・感想・評価

私だけ聴こえる(2022年製作の映画)
3.0
片方の意見しかないからなぁ・・・

「コーダ」というカテゴリの存在はつい最近知りました。ヒット映画のおかげですが。その作品の中でほぼ描かれていなかった「コーダと世間」にフォーカスしたドキュメンタリー作品です。彼らの辛さは知るよしもなかったです。家族との生活が大変で、家族から離れたらストレスから解放される生活をしているのかと思ったら・・・・大違いでした。これはちょっと自信の認識を改めなければならないと思いました。それだけでも本作鑑賞の意味はあったかなって思います。

観賞後に監督のトークショーがありそこでも多くの気づきをいただけました。
・コーダにとっての第一言語は手話。聴者の世界は声だけ感情表現が乏しく(目を見て話さない、全身を使って話さないなど)、自分自身が間違った世界にいる気がする。
・コーダ自身の中身は聾文化だが健常者として社会に存在するとズレや違和感がある。
など(他にもありましたが)があり世間に馴染めないマイノリティの一つであることを認識しないとって気分になりました。

マイノリティ関連の話になるといつも思うのが、なぜ世間は彼らに寛容になれないのかなぁ?って思っちゃうんですよね。本作ではコーダが属す健常者側の意見がなく、コーダ達が感じていること、思っていることが全てになっているんです。コーダ達が自らが壁を作っているってことはないのかなぁ?そんなことはないのかなぁ?
あくまでうがった見方ですが、製作者側がそーいう作りにしちゃっていないかなぁ?なんて思っちゃいました・・・ちょっと切り取った映像(コーダの親を見る友人の怪訝な眼差し)を差し込んで印象操作しているような感じがありちょっと・・・どうかなぁ・・・?て。

できればコーダの周りにいる方々の意見を聞きたかった。それがあってより「自分だけ聴こえる」状況がよりフラットに浮かび上がったのではないだろうかなぁ?

ただ、本作でコーダの方々の悩みは知り得ることができました。もし今後の人生でそのような境遇の方々に出会った際は、思い出したいですしどうしたら一緒に居やすいか?を考えたいなぁって思います。

さて、本作の監督と同行スタッフさん。舞台挨拶後に劇場横の禁煙エリアで喫煙してるのはよくないです。人としてのモラルどーの?って作品作る立場が、それかよ!って一気に冷めましたね(笑)。別に聖人君子を求めてるわけじゃぁないですが、社会のルール・マナーくらいは守りましょうよ。親への印象下がれば子供(作品)の評価を下げますよ。作品のメッセージも魂からじゃないね。って。