こたつむり

名探偵コナン ハロウィンの花嫁のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.3
♪ 煌いた瑠璃色が胸に射さり
  思い知らされる We can't let it end

ハロウィンだから舞台が渋谷なんですね。
なるほど。その発想は分かります…が、彼らを米花町から出してはいけません。彼らの(特に若干一名の)事件を呼び寄せる体質は死神も真っ青。現実とリンクさせたらダメなのです。

もしかしたら、アレですかね。
某東急からお金を貰ったんですかね。そう邪推したくなるほどに、ヒカリエやスクランブルスクエアなど、近年の再開発の目玉となっている建物が出てきました。勿論、その他の背景も現実と一緒。渋谷警察署もバッチリ登場しています。

でも、これは渋谷紹介の映画ではなく。
『名探偵コナン』劇場版なんですよね。見どころは背景ではありません…と言いたいところなのですが。うーん。正直なところ、色々と厳しい部分の方が目立ったのは事実。

多種多様な要望に応えたのは分かります。
婦女子から大人気の安室さんを出す。大味なアクションだけにならないように推理要素も入れる。マンネリ化してきた蘭のロマンスはカットする。渋谷を紹介する…そんな盛り盛りの幕の内弁当。

ただ、その分、ご都合主義も目立つわけで。
かなり強引な展開に肩が下がりました。

というか。
コナン君は“身バレを恐れていない”んでしょうか。原作でもそうですが、蝶ネクタイの変声機を使うときの隠れ方が雑になってますよね。それは、さすがに厳しいと思うんですが。

というか。
早く“黒の組織”と決着をつければ良いんですよ。そして決着させても最終回にしなければいいんです。身体が元に戻る薬を作れば良いんです。「最終回じゃないぞよ。もうちっとだけ続くんじゃ」と言えば大体はOKです。

それに作者の執筆ペースも落ちてますからね。
風呂敷を早く畳んだほうが良いと思います。お願いします。

まあ、そんなわけで。
最近のコナン君に振り落とされた身(95巻くらいまでは読んでました)には少し厳しかった物語。一見さんが入って来れるように敷居は低いので、頭を空っぽにした方が楽しめると思います。
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