♪ なぜに生まれて来たかなんて
考えてもわからないんだ
だから生きる 魂燃やし生き抜いて
僕はウルトラマン派です。
平成以降はともかく、昭和は『スーパー1』を少し見たくらい。なので肌感覚でライダーの良さが分からず…それが原因なのか、最後までノリきれませんでした。
というかですね。
『仮面ライダー』の原点って“ホラー”じゃないでしょうか。改造人間にされた哀しみとか遣る瀬無さが大切だと思うんです。
ゆえに物語の焦点は全体ではなく個人。
オリジナルのショッカーは世界征服が目的でしたが、そもそも世界の危機とかが似合うタイプの物語じゃないんです。もっと登場人物に感情を託しやすい演出のほうが良かったんじゃないかな。
それに中途半端な流血描写も微妙なところ。
リアリティ路線を突き詰めている…ようでいて、やたらと台詞は棒読みにさせるし、場面転換も繋がりなどを考えない感じ(オリジナルを尊重したのかもしれませんが)。
なので、B級を狙ってC級になった…。
そんなチグハグ感が拭えませんでした。実はコメディを狙っていた…なんて筈はないでしょうからね。単純にフルスイングで三振してしまっただけ…だと思います。
長澤まさみさんの無駄遣いとかもねえ。
全体的にピリッと仕上がっていれば、笑いながら「無駄遣い感スゴス」とか言えたんですが、それがシャレにならないのは…ねえ。モッタイナイお化けが出ますよねえ。
まあ、そんなわけで。
柳の下に二匹目のドジョウはいても、三匹目はいないのサ!と言いたくなる作品。本家のリブート的立ち位置である『仮面ライダーBLACK』みたいな方向性を期待しないほうが吉です。
…とは言っても『BLACK』はマンガで読んだだけなんですけどね。異形感が満載の石ノ森章太郎先生の画が不気味だったのは覚えています。