「ロッテントマトで驚異の100%」という文句に惹かれて気になっていた作品。
日本では全くピックアップされていませんが、『ラストナイト・イン・ソーホー』のトーマシン・マッケンジーが出演してるなら、もうちょっと注目されても良さそうな気もするんだけど。
あらすじはノーチェックで見に行ったので、正直 冒頭からしばらくの描写がイマイチ飲み込めず。
母親? 子供? 誰の家? どういう関係? 登場人物の相関図や複雑な環境もわからなくて、脱落しそうになったんだけど(苦笑)
でも それらがつながってきてからは多少ノッテいけましたが。それも多少ね。
主人公のバニーの行動は無理があったりデタラメだったり。それでいて正義感も伝わってくるし。
(映画の登場人物として)どういうスタンスで見れば良いのかも ちょっと戸惑いつつ。
そんなバニーが姪のトーニャと“ションベン臭い”爆音カーで走り出します。
走行中、カーステレオから流れる曲に合わせて、何かを吹っ切るかの如く二人でシャウトする場面がなんか良くて。
誰のどんな曲なのかはわからないんだけど。世代の違う二人が同じ曲で協調していくのも面白いなと。
そうしてたどり着いた先で、またとんでもない暴挙に出るわけですが。
そこにあるのは純粋な思いであることはわかるけども、やっぱりその手法は遠回りになるぞと。端からみればそう思うんだけど。
そして事態は悪い方へとエスカレート。
しかし その場でバニーとトーニャの姿を見たひとりの女性によって、ささやかな希望をもって幕を閉じる…かに思われたのですが。。。
何かあの建物の内側にいる人にあった想いと。
建物の外側にいる人たちの対応には大きな隔たりがあるようで。
それもグッと迫ってみれば、バニーの心の内と 周囲の人たちがバニーを見る目との違いのようでもあって。
映画のラストシーンの後も、バニーの物語は続いていくのか。もしかしたら、そこで終わってしまうのか。
なんともいえないラストになっていましたね。
ちなみに原題は「The Justice of Bunny King」。
直訳すれば「バニーの正義」ですか。
あんなトラブル起こして、どこが正義だよというのも一理あるし。
一方で、人の心に寄り添えない制度というものが、本当に正しいのかと問うてみたくもなるし。
バニーは夫を殺した過去があるそうですが。
例えば彼女の娘の脚が不自由になった原因が夫にあったとしたら…と想像をしてみたり。
そんな彼女だからこそ、トーニャの身を過剰なまでに案じたのかもしれないなと。
映画の序盤は脱落しそうになりましたが、終わってみればいろんな思いを残す作品でありました。
胸の奥と、左の肩がちょっと痛いです。