色々と惜しいカンジ。『人魚姫』をモチーフにしているが「童話」の悪い所が顕在化してしまっている。原典同様王子立ち位置ヒビキと人魚姫ウタの関係性が非常に希薄で感情移入しにくい。二人の仲を盛り上げる強力なエピソードがある訳でなし幼き日の邂逅自体謎展開で？？？そもそもウタ及び「泡」の正体が何か分からないし説明する気も無いのか、それならそれでせめてファンタジー寄りかSF寄りか位のカテゴライズがあっても良かったのでは？「歌」が重要なファクターっぽい位置を占めている割にはやはり「歌」自体に何の意味があるか描かないし、あとやっぱり主人公二人の声が…💧特にウタ役りりあ。さんは台詞が殆ど無いにも関わらず今ひとつ。白痴っぽい可愛さというよりは野生動物みたいで可愛さ不足(なんか『スプラッシュ』を思い出してしまった)。
作画は丁寧で綺麗。特に流れる様に繰り広げられるパルクールは右へ左へ上へ下への無重力立体アクションが目白押し。スピード感溢れるFPS的肩越し視点と俯瞰視点織り交ぜての多彩なカメラワークは爽快感があり観ていて気持ちが良い。東京タワーでの最終トライは仲間との協力プレイも後押しして盛り上がりも最高潮。これで物語に説得力があったらなぁとやはり勿体なく思ってしまった。アクションを楽しむだけなら非常に高レベルにまとまってます。でもそれだけ。
追記
ウタのラストは作画レベルが高過ぎて逆にグロい。実写化したらホラーの域だよ。
