バリカタ

階段の先には踊り場があるのバリカタのレビュー・感想・評価

階段の先には踊り場がある(2022年製作の映画)
3.0
細川岳さん出演ということで鑑賞です。なかなかの佳作でした。僕は好きですね。内容や物語の舞台を考えると、題名は少々ダジャレっぽくもありますが、まぁいろんな意味が含まれているってことで良いのかな?

だからってわけではありませんが、よく練られているお話ではないでしょうかね?ちょっとまとめすぎな感じはしますけどね。なんか、綺麗にはまっていくパズルのような展開が若干違和感・・・答えが出ない感じも欲しかったかなぁ、そんな・・・割り切れないことの方が多いと思うんですよね、、、人生って。

人生の岐路に立つ。立ってる場所はさながら踊り場なんでしょうな。でもってステップ踏めずに地団駄ばかり。まさに停滞状態。経済の世界では足踏みしているような状態を踊り場って言いますが、ネガティブなことばかりなのかなぁ?と思ってそもそもの語源をググってみました。

踊り場の語源・・・<〜鹿鳴館のような上流階級の貴婦人方の社交場が作られていました。 階段の途中で切り返すドレス姿の貴婦人方を見た人々が、まるでダンスを踊っているようだと思ったことから、その場所を踊り場と呼ぶようになったと言います。>・・・だって!

あれま?なんとまぁ素敵な語源(本当ならね)。ってことはですよ、停滞状態に見えていても、足掻いてりゃ見える明日もあるってもんですし、踊り場でもダンスはできるってことですよね。人生、止まっちゃぁダメなんだろうなぁ。階段(人生)にはたくさんの踊り場があるはずです。ハッピーエンドとバッドエンドが何度も繰り返しで。そこで自身を見つめてちょっとでも前に転がることを諦めなければ、きっと・・・。 クライマックスの細川さん演じる主人公の心意気が気持ちいいですよ。

お話としては好きですが、妙にリアリティを求めるような長い長い会話劇的な展開が多くて、ちょっとダレちゃったかなぁ。そこまでは不要なんじゃぁないかなぁ?あと、時間軸のいじりかた、もうちょっと遊べたかな?って。でもでも面白い物語でした。