さいらー

グリッドマン ユニバースのさいらーのレビュー・感想・評価

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
4.6
アニメのグリッドマンは放送当時観ていて、ダイナゼノンも観ていたけどぶっちゃけほとんど内容は忘れていた。

それでもこの映画は自分みたいな観客にも易しく、また初見でも十分に関係性や内容が説明されており、見やすい形に落とし込まれていたので単なるファン向けというだけでなくオススメ。

作品のウリとして迫力とケレンの効いたアクションが先行しがちだが、それよりも思春期の男女間や同性同士、あるいは周囲の大人との関わり合いの中で生まれる実在感のある会話や空気感のリアリティこそが本作の白眉だと言っていいと思います。

お互い好き同士の男女の間にある言葉では言い表せない空気。
それを見守る友人との会話。
周囲の大人や自分たちより進んだカップルを見る眼差し。
かつての仲間たちと再会した時の嬉しさや、嬉しいだけではない複雑な感情。

そのどれもがセリフの節々、画面の隅々から伝わってくる。

演出の行き届いた名作アニメ映画。