このレビューはネタバレを含みます
けっこう画面がガチャガチャするしついていけないところあるし万人受けする作品ではないと思う。でも自分はこの作品の突飛さや結局確定申告をするという地味さやアジア人がメインで作られた背景なども含めてとてもよい作品だと思った。
SF?というのか多元宇宙の理屈はよくわからなくて、理論がおかしいと言っている人もいて彼らの言いたいことはわかるんだけど、理屈や原理などはよくわからなくてもいいと思った。
主人公がアジア人で移民で中年で女性、というのでとても気になっていた。この属性は社会でスポットライトが当たらないから、だからこその主人公に選ばれたのがよかった。どの宇宙でも特出した人生を歩んでいるのに、何一つ身になっていない宇宙を生きる主人公。だからこそ。(ピザの看板を回す人生はランドリーを経営する人生と何か違うのだろうか?と思ったけど看板回しながら敵をぶっ倒せるもんな…)
キー・ホイ・クァンのカンフーシーンもよかったし、主人公のミシェル・ヨーの様々な人生で得た経験を活かしたアクションシーンもよかった。アクションシーンにそんなに興味はないのだけど見ていて楽しかった!それは奇抜な戦い方にあると思う。バース・ジャンピングをするためにおかしな行動をしなくてはならないから、面白い。下品だと思う人もいるかもしれない笑
でも自分は指がソーセージの宇宙はなんか見てられない…と思った(ディアドラと一緒なのはよかった)
個人的には犬をメリーに首ったけ並みに雑に扱うシーンでめちゃくちゃ笑った。これも人によって引くかもしれない。
あと娘役でジョブ・トゥパキであるステファニー・スーのファッションは素敵!観ていて楽しいし脇役のいなしかたがチャーミングでよかった!
そして夫の、キー・ホイ・クァンのウェイモンドの戦い方にほろりときました。話し合う、優しく、平和的に、という彼の戦い方を学んでいくエヴリンのシーンもよかった。彼は頼りなく感じるがとても強くて優しい素敵な男性であることを理解する、とてもいい流れだった。
国税庁?のディアドラもほんと良くて、いじわるなんじゃなくて仕事だから領収書について問い詰めている。そんな彼女も終盤で見せる人間らしさというか彼女の人生にエヴリンが邂逅して横に並んで座る…とても印象に残ったキャラクターです。ジョブ・トゥパキの手下の時は怖かったけど…