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すずめの戸締まりのarimasou16のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0
序盤から展開が著しく、ガッと惹き込まれる。ただ割と神戸あたりまでは繰り返しなので若干中弛みしなくもない。ラストにかけてはいつもの(君の名は以降の)新海誠節といった感じ。映像に迫力があるので、IMAXといった劇場施設で見るほうが満足度は、高まります。

個人的には、前作の"天気の子"が、この日本、世界がオメラスではない誰れもが幸せに暮らせる社会を描いた大傑作と思っています。

君の名は、が大ヒットし、アニメ好きが知る人ぞ知る監督から一気に一般層までが知る有名監督になりました。

普段、日本のアニメなんてお下劣なものは見向きもせず、ポリコレ配慮された海外作品ばかりをご鑑賞されてる方々から、一部の表現が気持ち悪いだの、言われつつも、天気の子では、だから何だ!みたいな良い意味で変わらない作品を届けてくれました。

君の名は、天気の子、そして今作。発表される作品の根底にある自然災害との付き合い方、受け止め方、どう生きていくか?というテーマを取り上げ続ける姿勢には感動すら覚えます。

少し間違えたり、誤解されただけで炎上しかねないセンシティブなものだからです。もう十分にヒットした作品を出したのだから違うのテーマに切り替えてもいいのに、と思うからです。

そういう意味でもやはり監督は変わらないです。

擬人化した動物など無国籍になっていく海外のアニメと違って田舎の風景、方言、制服、電車が盛り込まれてローライズな作風なのも良いです。すずめとたまきおばさん、スナックママといった家庭が出てくるのも、今回のテーマに合わせてでしょうかね。

ただ、今作は天気の子がよすぎただけに、アップデートされたものが、私には見つかりませんでした。要石という存在の意味、違った形での終着を見せるのではないかと思ったらそうではありませんでした。サダイジンは何故、自由に動けているのか?また、何のために、ダイジンはあんなことをしたのか、理解できませんでした。

今回はその後を生きていくのか?が主題だから、これはこれでいいんでしょうかね…にしても、新海誠ならでは答えみたいのが見たかったですね。割とありきたりな感じで、ガッカリしました。まあ、今後、あちこち考察サイトも出てくるだろうし、色々読み込めばそういうことだったのか?と膝を打つこともあるかもしれませんが、見た直後の感想としてはこんなものです。

蛇足ですが、個人的にはRADWIMPSが主題歌、音楽監督やるのは飽きたので他の人を…新しい新鋭クリエイターやアーティストを起用してもらいたいですね。新海誠が起用したがってるならしょうがないですが。
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