ダガバジ

すずめの戸締まりのダガバジのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

過去作品で新開誠を避けていたんだけどこれは見て良かったと思った

廃墟でその土地の人の言葉を聴く中で「行ってきます」「おはよう」とかの挨拶のシーンが多かったことが印象的で、話が進むにつれて「おかえり」「また明日」を言えないままの人たちが居るんだと実感して、その声を聴いてるのかと思うと…
幼いすずめが常世から母親を探し回った現世に帰るシーン、美しい常世の先の現世がモノクロの厳しい世界なの辛すぎる………
過去は覆せなくて、生きている限りは美しい世界には居られないからこそのすずめの「行ってきます」の区切りが本当によかった
そんでもって草太と再会して「おかえり」が言えてよかった………幸せになって欲しい

映画館に行った時間帯が夕方ってこともあって高校生に囲まれて見ていて、上映中に話したりエンドロールで携帯付けたり上映後の感想が映像が綺麗だった〜ぐらいでなんだかなあと思ったけど、すずめと近い年ということは震災当時5歳ぐらいだから遠い過去の話として震災をイメージしにくいのかなと思った
それこそ荒れ果てて草木が生い茂った土地を「綺麗」と評した芹澤みたいに
世代間の意識格差を感じられたと思うと鑑賞マナー最悪の中で見た甲斐が一つはあったかな………

フィクションとして楽しめるところも多くて、燃え盛る街、炎やぬかるんだ地面を転びながらも必死に駆ける女の子とか好きな要素がいっぱいでめちゃくちゃ良かった
みみずも悍ましさの中に美しさとか畏怖を感じられて、モンスターではなく事象でしかないところが好きふ
ダガバジ

ダガバジ